Art Work
作品
1958年 東方書道展 『従心』 論語-為政
1958年 日展 『韋應物 石鼓歌』
周宣大猟兮岐之陽。刻石表功兮煒煌煌。石如鼓形數止十。風雨缼訛苔蘚歮。今人濡紙脱其文。既撃既掃白黒分。忽開満巻不可識。驚潜動蟄走云云。喘逶迤。相糾錯。乃是宣王之臣史籀韋作。一書遣此天地閒。精意長存世冥冥。秦家祖龍還刻石。碣石之罘李斯跡。世人好古猶共傳。持來比此殊懸隔。戊戌夏五。遊於中国。於故宮博物院。見石鼓原石。石肌黝黒。文字奇古。眞二千年故物也。 歸來不能忘於懐。試筆書韋蘇州石鼓歌。以寓感慨焉。戊戌十月。如流。
制作のことば
昭和三十三年に中国へゆき、石鼓を見てきた感慨を、唐の葦應物の石鼓歌に托して隷書で書いたもの。かなり自由に表現しつもりである。
1960年 第3回新日展・文部大臣賞『水到渠成』
1963年 日展 『杜甫詩』 日本芸術院賞
杜甫 屏跡三首 其一
用拙存吾道。幽居近物情。桑麻深雨露。燕雀半生成。邨鼓時時急。漁舟個個輕。杖藜従白首。心跡喜讐清。
癸卯秋日。如流書。
1968年 毎日書道展 『古』
制作のことば
これは杜甫の五律である。漢隷の調子で書いたものであるが、あまり固くなると面白くないので、存の字や半の字を大きく書き,左右の字の揃うのを避けたつもりである。ゆとりのある作品になったと思う。昭和三十八年日展に出品したもので、この作品によって翌三十九年に芸術院賞を受けた。私にとっては記念の作である。
1969年 古稀記念松井如流書作展 『杜甫詩』
杜 甫 月夜
今夜鄜州月。閨中只獨看。遙憐小兒女。未解憶長安。香霧雲鬢濕。清輝玉臂寒。何時倚虚幌。雙照涙痕乾。
杜少陵詩。如流書
制作のことば
これは荘子の言葉である。小画箋全紙六枚にこの三字を書いたから、一字は両箋 二枚に書いたことになる。濃墨でかなりわがままな書き方をしており、三字の調和に苦心した。楽の字が、かなり奔放になってしまったが、その時の気分でそうなったもので、これでも見られると思う。
1969年 古稀記念松井如流書作展 『七十自述』
七十自述
安保反對学園紛争また物價高 かかる年にて迎えし七十 かれがれの字を書くまじといましめて 今日は朝より大筆を 持つ古へのすぐれし人は七十路を すぎて力ある文字を書きにきうかうかと生き来しことが罪のごと 思ふ日のあり年毎 に怠けて古稀といふ年になりても悟りあらず 反故紙つめば清しきごとし 如流
1970年 東京書道会展 『沙上鷺』
1982年 如流新春展 『どんぐりの実』 ―自詠―